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2012.09.27 中外日報『お寺と神社の防犯NOW「物騒な世の中だから・・・防犯機器の備えも」(29)』

物騒な世の中だから・・・防犯機器の備えも

中外日報(平成24年9月27日)「お寺と神社の防犯NOW(29)」(弊社提供連載)

賽銭泥棒の被害に遭ったのがきっかけ

中外日報(平成24年9月27日)

殿様を乗せた馬が、ある場所で立ち止まったまま、一歩も動かなくなってしまった。不思議に思った殿様が家来に命じてそこを掘らせてみると、一体の観音像が現れた。
 こんな言い伝えを持つ仏像が、岐阜県多治見市笠原町の天台宗心性寺にある。本尊の聖観音菩薩像で、伝承は江戸時代初期のもの。以降、誰が言うともなく「駒止めの観音様」として親しまれており、このほか同じ頃の同寺住職が刻んだという千体仏も伝わる。
 同寺では、こうした大切な仏像を守るため、このほど防犯システムを導入したばかり。賽銭泥棒の被害に遭ったのがきっかけで、「防犯機器に頼らなくて済むならその方が良いと思っていたが、こうも物騒な世の中になればセキュリティー機器の助けを借りないわけにはいかない」と設置を決めた。
 不審者が侵入してもすぐさま異常を検知できるよう、伽藍の全ての扉にマグネットスイッチを取り付けたほか、防犯カメラと記録用レコーダー、火事を防ぐ熱感知センサーなども取り入れた。
 「物騒な世の中になったことは悲しいが、機器のおかげで不安もなくなり安心できるようになった」と同寺。
システムを活用するようになって日は浅いが、伝承と共に古くから受け継がれてきた「駒止めの観音様」も安堵していることだろう。
 心性寺の防犯システムは、多治見市のセキュリティハウス黎明(古賀政男社長)が設計・施工を担当した。同社は京都市山科区の㈱セキュリティハウス・センターが全国展開する防犯機器専門ネットワークの一社。この全国ネットには現在、北海道から沖縄までの135社が加盟している。

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