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2011.11.10 読売新聞『なっ解く「防犯対策を点検」』

「施錠・音・光 泥棒が嫌う家に」

読売新聞(平成23年11月10日)「なっ解く」

防犯対策を点検

一人暮らしで怖いのは、空き巣。一人暮らしなら、家が無人となる時間が長かったり、家人と鉢合わせしても逃げやすいと思われたりして、窃盗犯に狙われる危険性が高まります。防犯のポイントを知っておきましょう。

京都市内の女性(82)は13年前に夫を亡くしてから一人暮らし。過去2回、空き巣に入られており、「戸締りには気を使っている」という。市民の防災相談にも応じている京都府防犯設備士協会(京都市山科区)副会長で、総合防犯設備士の資格を持つ友田彰夫さん(53)が、女性の家の防犯対策を点検した。
最初に指摘されたのは、塀のすぐ横に立つ電柱。手の届く高さに作業用のボルトが付いており、敷地に入るための足場にされる恐れがあるという。「電柱を管理する電力会社、電話会社に連絡して、取り外してもらった方がいいですよ」と友田さん。
また、玄関や裏手の風呂場の窓などは錠前が一つだけだった。「見える場所に2つ付けておくのが基本。泥棒が敬遠します」とアドバイス。女性は「開けられないように隠れたところに付けるのかと思っていたら、見せることで防犯効果があるんですね」と感心した様子で話した。
警察庁の調べによると、昨年一年間で住居に侵入した窃盗事件約7万5000件のうち、3割が一人暮らしの世帯に侵入していた。住宅の種類別では特に一戸建ての被害が目立つ。
最も多い侵入経路は窓だが、ガラスを割って入るだけでなく、無施錠の窓から忍び込む事案も頻発。「すぐに帰ってくるから大丈夫」と思いがちだが、空き巣が忍び込んでから出て行くまでの時間は、10分程度が多いとされる。短時間でもきちんと施錠する習慣をつけておきたい。
防犯はお金を掛ければきりがないが、少しの金額でも効果を高めることはできる。一人暮らしのスタイルにあった対策を選ぶのがよいだろう。
例えば、家を空ける時間が長くなるなら、自動的に照明をつけるタイマーを使い、家に誰かがいるように装うのも効果がある。寝室が2階で、夜間に1階への侵入に気付かない恐れがあるなら、センサー付きの警報機を1階の窓に設置することも考えたい。どちらもホームセンターなどで数千円程度で購入できる。
友田さんは「窃盗犯が嫌がるのは音と光、時間がかかること、人の目の四つ。うまく組み合わせて狙われにくい環境を作るのが一番」と話す。この中で「人の目」は個人の力だけでは難しい。地域の防犯活動に参加し、地区全体の防犯力を高めるのも手だ。
月1回以上活動し、5人以上メンバーがいる自主防犯のボランティア組織は全国に4万4508団体。子どもたちの見守り活動や地域のパトロールなどを行っている。警察庁のホームページ「自主防犯ボランティア活動支援サイト」(http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki55/)では、結成の仕方や活動事例を紹介している。同庁生活安全企画課の担当者は「活動を通じて地域が結束し、絆が生まれていけば、犯罪抑止の効果は高い」と話している。

読売新聞(平成23年11月10日)

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